時系列データ解析 02 ~ 定常性
また、沖本先生の本の続きです。
定常性は、時系列データの同時分布や基本統計量の時間不変性に関する性質です。
まず、弱定常についてですが、任意の と に対して、
が成立する場合、その過程は弱定常(weak stationary)といいます。
過程が弱定常のとき、自己相関係数はこのようになります。
任意の に対して、 と が成立します。
弱定常性は、過程の期待値と自己共分散が時間を通じて一定になります。
次に強定常性ですが、任意の と に対して、 の同時分布が同一となる場合、その過程は強定常性(strict stationary)といわれます。
強定常過程の例として、iid系列があります。
iid系列とは、各時点のデータが互いに独立でかつ同一の分布に従う系列のことです。
が期待値 、分散 のiid系列であることを と表記します。
iid系列より弱い仮定をおいたものがホワイトノイズになります。
ホワイトノイズとは、すべての時点 において、
が成立するとき、 はホワイトノイズ(white noise)といいます。
ホワイトノイズはすべての時点において期待値が で、かつ分散が一定であり、自己相関をもたないことが必要です。